よく貧困に陥ってしまう人は、借金をして返済ができなくなりお金に困ってしまうというのが思いつきます。
「借金?オレは金遣いも荒くないし、日ごろから気を付けてるからへいきへいき!」
ちょっと待ってください、自分は借金なんてしたことがないと自信たっぷりに言う人ほど危ないです。誰にでも借金をしてしまい、貧困に陥ってしまうリスクはどこにでも転がっています。他人事ではありません。
この記事では借金をしてしまい貧困に陥ったケースを5つ紹介し、困らないために10の対策を説明します。
- 奨学金
- 新卒の就職
- 投資
- カードローン
- パチンコ
- 大学へ行く必要があるのか考える
- 給付金制度を知る
- 「新卒応援ハローワーク」を使う
- 「カイシャの評判」で情報収集
- FXはほとんど勝てないことを知る
- 「積立投資」で安全な投資を
- デビットカードを使う
- 「返済シミュレーション」で計画を立てる
- 「精神保健福祉センター」を利用する
- 専門の医療機関を探す
借金をして貧困にならないためにも、実例を知って対策を立てましょう。
(アイキャッチ画像出典:https://pixabay.com/ja/photos/%E4%BA%BA-%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%83%AC%E3%82%B9-%E7%94%B7%E6%80%A7-%E9%80%9A%E3%82%8A-850097/)
奨学金という借金で貧困に
大学へ進学するために、ほとんどの方がお世話になる奨学金です。ここ最近、奨学金を借りて貧困に陥ってしまうという人が後を絶ちません。
福島県西郷村の実家を離れて、一人暮らし。育英会から借りる月4万円の奨学金は、4年間で総額約200万円近くになる。「給付型」ではない。卒業後、20年間かけて返さなければならない。
大学新卒でもスムーズに就職できるとは言い切れない時代。なのに、社会に羽ばたく時、既に「借金」というハンディを背負う。
そう分かっていても、奨学金がなくては大学進学はままならなかった。
実家の家計は、時給800円にも満たないホテル清掃のパートで働く母順子(じゅんこ)さん(57)が支える。年間90万円を超える大学の授業料は、限られた蓄えから出してくれる。
食費や光熱費は月3~4万円。週3日、夕方から5時間ほどの店員のバイトで賄う。
「もっと稼げれば…」と思う。でも、しっかり勉強して母の期待に応えたい。これ以上バイトしたら、疲れて授業に出られなくなる。
2019年卒の大卒での求人倍率は1.88倍(リクルートワークス研究所-大卒求人倍率調査より)で、以前と比べて就職はしやすいです。ただ、新卒で就職した時に奨学金というハンデを背負って働くことになってしまいます。
奨学金の借金で貧困にならないためには
大学へ進学するための奨学金で失敗しないためにはどうすればいいのでしょうか。
考えられる対策としては、本当に大学へ行きたいのか考える、給付金制度などを狙ってみるといったことが考えられます。
本当に大学へ行く必要はあるのか
そもそも、自分自身が大学へ行きたいのか分からない人が多いです。
「だって周りが高校卒業したら行ってる人がほとんどだし…」
周りが大学へ進学するから自分もそうすると、決めている人がほとんどのように見えます。
1950年の大学卒業者数は1,858人(武庫川女子大学 大学卒業者数と就職率・大学院進学率の推移より)、2018年の大学卒業者は約56万人(大卒「就職率」は77.1%で8年連続アップ!|旺文社教育情報センターより)と約300倍にもなっています。
大卒という肩書が珍しいものではなくなっている今、数百万円もの借金を背負って十数年という長期間で返済をし続ける意味はあるのか疑問です。
給付金制度などを狙ってみる
「それでもオレは、大学へ行きたいんだ!」と、このように本当に大学へ行きたい方もいますよね。
本気で考えるのなら、給付金制度を狙ってみてはいかがでしょうか。
神奈川大学では「給費生制度」という試験を行っており、試験に合格すると4年間で最大800万円もの返還不要の奨学金が給付されます。ただ、難易度は試験を満点近くまで取らないと合格できず、ハードルが高いです。
独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)では「給付奨学金」を行っており、返済義務のない奨学金を得られます。ただし、学業での好成績を求められるうえ、住民税非課税か生活保護受給世帯であることが条件です。
新卒の就職先の失敗から借金をして貧困に
就職活動も終わり就職先が決まって将来が決まり、晴れて無事に大学を卒業しホッと一安心。
「長くつらい就職活動だったけど、これで社会人になれる。学校も楽しかったし、これからが楽しみ!」というそこのあなた。
苦労のすえに決まった就職先ですが、新卒で就職した先が思っていたのと違うこともありえます…。
井沢涼子さん(仮名・27歳)は、現在都内で派遣社員としてデザイン関連の仕事に就いている。月給は手取り20万円ほどで、アパートの家賃は6万円。これだけなら十分生活できるだろうが……。
「毎月、借金の返済で5、6万円が消えていきます。大卒で就職した会社でパワハラをされ、入社2週間で辞めてからできた借金です」
その後はテレアポなどのアルバイトをしながら就活はしたものの、時給900円代での生活は暮らすことで精いっぱいだったという。
「面接を受けても、やはり入社してすぐに退職した経験があることが引っ掛かってしまい、採用になることはなかった。バイトだとフルで働いても家賃を払っていくだけで苦しくて、仕方なく消費者金融でお金を借りることにしました」
新卒の就職先で失敗してしまい、その後の転職もうまくいかずにアルバイトの給料で奨学金の返済をしなくてはいけません。特にギャンブルもしていない若者が貧困に陥ってしまうことが後を絶ちません。
借金で貧困にならないためにも新卒の就職活動は慎重に
新卒での就職は、今後の一生を左右しかねない大イベントです。なるべく失敗はしたくありません。
「就活ツライ・・・。内定がでればどこでもいいから早く終わらせたい…」
就職活動は辛いです。早く内定を得て就職先を決めたい気持ちはよく分かりますが、ここは慎重に。
就職する企業をよく吟味したいなら、「新卒応援ハローワーク」の窓口や「カイシャの評判」というウェブサイトがオススメです。
新卒応援ハローワーク
「新卒応援ハローワーク」とは、大学卒や高校卒の若者を支援するサポートを行っています。全都道府県に設置されており、就職活動に悩んでいる若者を応援し、既に学校を卒業してしまった既卒者でも利用可能です。
主なサポート内容は以下の4つで、以下に紹介する支援以外にもまだあります。
- ジョブサポーターによる相談で新卒者、既卒者をきめ細かくサポート
- 全国の求人情報(仕事情報・企業情報)の検索
- 仕事探しに関する相談や臨床心理士による心理的サポート
- 就活フェアやセミナーの開催
以前私も新卒での就職活動に悩んでいた時期があり、利用したことがありました。企業への就職には結び付きませんでしたが、担当者がとても親身に相談してくださって、助けられました。
カイシャの評判
「カイシャの評判」は、マイナーな中小企業から有名な大企業まで企業の社員の内情が知れる、日本最大級のクチコミサイトです。社員・元社員のクチコミが100万件以上見られます。
社員・元社員のクチコミの例を挙げますと以下の5つがあり、他にもまだまだあります。
- 仕事を通じた成長
- 回答者の平均年収
- 回答者の平均勤務時間
- 福利厚生全般の納得度
- 教育・研修制度
- 「社員だけじゃなくて、アルバイトにも仕事を丁寧に教えてくれました!」
- 「デスクやイスがきれいで、オフィスもオシャレだった!」
といったクチコミを見ることができる(本来はもっと詳細なクチコミ)ので、気になる企業を「カイシャの評判」で調べてみてはいかがでしょうか。
クチコミは各個人の主観があるので、事実とは異なる可能性があります。
FXに手を出して借金をしてから貧困まっしぐら
投資は使い方を間違えてしまうと、究極のギャンブルと化します。特にFX(外国為替証拠金取引)はレバレッジという仕組みを使って5倍、10倍、20倍といった巨額の利益を狙える分、損失も大きいです。
今では当たり前となったネットによる株式投資だが、そのころはネット証券がようやく出そろい、デイトレーダーが誕生した時期でもある。高橋さんもこの“ブーム”に乗って、一時は2700万円ほどまで資産を増やしたという。
「ただ、ライブドアショックの直撃を食らって…。一気に資産が減ってしまいました。そのころからFXブームが起きて、変動の大きいポンドや、スワップ金利(1日ごとにもらえる金利のようなもの)が高い豪ドルなどを、レバレッジ50倍、100倍といったフルレバレッジでやっていましたね。もちろん、生活費などを引いて余った給料は全額投資につぎ込んでいました」
「FXのレバレッジが25倍に下げられたことで、給料だけでは投資資金が少なくなってしまって、ついに借金に手を出してしまったんです。最初に借りたのは5年前の32歳のとき。みずほ銀行カードローンで150万円、三井住友銀行カードローンで100万円、クレジットカードのキャッシングで50万円×4~5社。プロミスやアコムなどの消費者金融からも借りていて、最大で650万円ほどでした」
このように、短期的に巨額の利益を獲得したことによって限度が分からなくなり、全てを失う人がいます。
身の丈にあった投資で借金をしない
FXのように巨額の借金を抱え込まないためには、「FXは勝てない人が9割」であるということを理解し、投資をするなら「積立投資」をして堅実に増やすことが考えられます。
FXは勝てない人が9割
FXは勝てない人がほとんどであると言われています。理由として考えられるのは、
- 刻一刻と、数分数秒で変化し続ける相場
- 少額から始めてレバレッジをかけることによって巨額の利益を得られる反面、巨額の損失も抱える
- 各国の大統領などの発言で相場が激変するので、相当な情報と知識をもたない限り相場を読めない
- 利益が出ると初心者は舞い上がってしまい、暴走してしまう。
参考サイト:プアリッチ
まだまだ他にも理由がありますが、これらの4つの弊害があるため、初心者ほど破滅します。
対策として、ロストカットという方法があります。ある一定の損失に達したとき、さらなる損失を防ぐために強制的に終了する方法。
例えば、100万円の損失が発生しているのに、まだまだ勝てるからやり続けるというのはやめて、20万円の損失を支払って取引から退場すること。
積立投資
「積立投資」とは100円や1,000円といった少額から始められ、いつでもやめることができる上、自動的に投資商品を買ってくれる仕組みです。
具体例を挙げて説明しますと、毎月10,000円をリターン5%で10年間積み立てていくと、総額約155万円の利益になります。
複利の力を活かして、地道に資産を築きあげていくことができます。投資初心者はFXというギャンブル性の高いものはやめて、「積立投資」で地道にやったほうが近道です。
「つみたてNISA」という制度があり、投資の値上がり益にかかる20.315%の税金がかかりません。「つみたてNISA」に選ばれている投資商品は、安全性が高いものなので初心者には選びやすいです。
カードローンの借金で貧困に
審査も簡単ですぐに作れるカードローン。簡単に使えてしまうので自分が借金をしていることに気づかず、いつのまにか貧困になってしまいます。
東京都在住の鈴木雄介さん(仮名・57)は、2010年に消費者金融から借りた10万円が、その後に訪れる自己破産へのきっかけだった。
「半月板を損傷し、杖や補装具を購入するために消費者金融から借金しました。そこに母親ががんになり、治療費や生活費の負担が大きくなっていきましたね」
「追い詰められたときに目にしたのが、銀行のカードローンの広告でした。本当に借りられるのかと思いつつ申し込んだら簡単な審査で、消費者金融のように収入証明書の提出も不要。会社への在籍確認だけで通りました」
「融資枠を増額しますよという案内メールが来て、無理だろうなと思いつつ申し込んだのですが、審査が通って、100万円、200万円と、どんどん上限額が増えていきました。限度額がいっぱいになってどうしようもなくなったとき、別のカードローンで……と思い申し込みました」
だが、破滅はすぐに訪れた。2年ほどで消費者金融とカードローンへの借金総額が約650万円に。仕事も体調の悪化から休職。返済にも限界を感じて、弁護士に相談をして自己破産した。
日々の生活費に困窮し、カードローンでその場をしのいでいくうちに、ローン地獄へ突入する人が増えています。
カードローンの年利は最大で15%から18%と高い金利がほとんどです。
デビットカードや返済計画を立てて無理な借金を防
カードローン地獄へ突入してしまう人の特徴はなんといっても、無計画な借り入れに尽きます。
対策としては「デビットカード」を利用する、「返済シミュレーション」を使って無理のない返済計画を作ることです。
デビットカードを使う
デビットカードの特徴は以下の3つであり、クレジットカードなどによる使い過ぎを防げます。
- 一括払いでの支払いのみ
- 使ったらすぐに口座から引き落とされる
- 口座の残高の確認が簡単
現金のように一回払いなので分割払いによる利息を防ぎ、銀行口座に入っているお金以上を使わずに済みます。お金の管理が苦手な人はぜひ使ってみてはいかがでしょうか。
返済シミュレーションで計画を立てる
各大手銀行には「返済シミュレーション」というものがあります。「三井住友銀行」の「返済シミュレーション」を使うと以下のような計算がすぐにできますよ。
具体例として、借入金額100万円、返済月数12か月、借入金利(年率)14.5%とします。
100万円を借りた場合、毎月9万円ほど返済すれば借金を完済できる計算です。また、「毎月返済額シミュレーション 返済計画表」というのも自動で作られます。
ここまで具体的にお金を借りる額と、返済額をあらかじめ計画すれば、無理のない返済を続けるのに役立つでしょう。
パチンコで借金地獄に
ギャンブルは、借金に手を染めやすい王道としてよくご存じかと思いますが、特にパチンコは危険です。
ギャンブル依存症の疑いがある人数は、国民全体の3.6%、約320万人(厚生労働省2017年度の調査-日本経済新聞より)。
依存症の方で特に多いのが、パチンコが約9割を占めているという事実です。
私が借金してパチンコをするようになったのは、銀行の自動融資カードローンがきっかけです。
当時の私は自動車ローンを組んでおり、毎月3万円の支払い、ボーナス月に20万円の支払いをしていました。
ところが、『ボーナス支給日』と『ボーナス払いの引き落とし日』をきちんと把握していなかったために、引き落とし日のほうがボーナス支給日より先にきてしまうというミスを犯します。
この場合、普通なら残高不足で引き落とし不可になりますが、当時利用していた三菱UFJ銀行には、『自動融資カードローン』というサービスがありました。
このサービスは、残高不足になってしまっても、不足分が自動的に融資される仕組みで、なかば強制的にお金を借りさせてしまうことができるわけです。
三菱UFJ銀行の自動融資カードローンを使い切ってしまった私は、もともと持っていたクレジットカードのキャッシングにも手を出すようになります。
まずは自動車ローンのボーナス払い分(20万円)をキャッシングで支払い、受け取ったボーナスはパチンコに使ってしまいます。
今から考えるとアホの極みですが、当時は「ラッキー!ボーナス分が浮いた!」と考えていたのだから救いようがありません・・・。
現金があればパチンコに使うという絵に描いたような負のサイクルを回していましたね・・・。
軽い気持ちで始めたつもりのパチンコが、いつのまにか借金地獄で貧困に追いやってしまう、パチンコでのしくじりはよくあります。
国の相談機関や医療機関を使って借金と貧困から抜け出す
ギャンブル依存症になり借金を作らないためにはよく、ギャンブル以外で夢中になれるものを持つとされています。ゲームや漫画、スポーツ、旅行といったものや恋愛などがあります。
ですが、ギャンブルにのめりこんでしまう人は心が荒れた状態で、そう簡単に夢中になれるものが見つかるとは思いません。
考えられる対策は「精神保健福祉センター」を使う、「専門の医療機関」を探すといった方法が考えられます。
精神保健福祉センター
「精神保健福祉センター」は各都道府県・政令指定都市ごとに1か所設置されており、ギャンブル依存症などの家族相談を行っています。
センターごとに活動内容は異なり、精神保健福祉相談やギャンブル依存症を治療するためのデイケア施設の見学などがあります。
全国の「精神保健福祉センター」の詳細は、「全国精神保健福祉センター長会」で確認しましょう。
専門の医療機関を探す
全国にある依存症の相談窓口と医療機関を「依存症対策全国センター」のホームページで、以下の4つの項目で詳細に検索ができます。
- 市町村で探す
- 目的から探す
- 相談・治療したいことから探す
- その他のオプション
試しに神奈川県で検索をしてみると、6つの医療機関がヒットしました。
ギャンブル依存症を治療するために、ヒットした結果を参考にして医療機関を検討しましょう。
まとめ
ここまで、借金で貧困になってしまった5つの事例と、10の対策を挙げました。まとめますと、
- 奨学金の借金で貧乏になりたくない!どうすれば…
- 本当に大学へ行く必要があるか考えよう。本当に行きたいなら給付金制度を考えよう。
- 新卒の就活で失敗したくない!
- 「新卒応援ハローワーク」で相談したり、「カイシャの評判」のサイトを見て考える。
- FXなどの投資を考えてるけど、どうしようか悩んでる…
- FXは9割の人が勝てない現実を知る。安全に投資をしたいなら、積立投資を使ってみよう。
- カードで借金なんかしたくない。安全にカードを使うにはどうしよう…
- デビットカードを使ったり、返済シミュレーションで計画を立てるのがオススメ。
- パチンコに依存しがちで困ってる…
- 「精神保健福祉センター」を利用したり、「依存症対策全国センター」のサイトで医療機関を検索したりしてみる。
この記事を参考にして、1歩でもいいので踏み出して、借金で貧困に困らないために希望の未来を歩んで行きましょう。